10年目医師の医局との距離感②~医局のやくわりと今後どうなるかについて考えてみた~

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医局の役割とは?
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こんにちは!へげらもげらです。

今日は以前に投稿した医師が医局に所属するべきかについてかきましたが・・・

医局ってなに!?と思われる方も多かったようなので・・・

今日は医局についての説明とこんご医局はどうなるかの私なりの予想です。

では、いってみましょう!!

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目次

医局ってなんなの??

医局の構造

以前の投稿でもかきましたが、医局というのは医師のひかえ室のことで医師がたくさんいるところのことです。

だから市中病院でも医師のひかえ室を医局と表示しているところがありますが・・・

基本的に白い巨塔のような権力構造としては

例えば大学の消化器外科の医局、循環器内科の医局などの場合もあります。

医局の基本システム

基本的に最近の主流は各科での医局があり、そこに教授がいて医局長などの部下がいて運営されているという上図(医局の基本システム)のイメージです。

ただ内科系がまとまった第一内科、第二内科、第一外科、第二外科のように別れているところもあります。(ナンバー講座制とか言われたりもします。)

ナンバー講座制①

上図(ナンバー講座②)のようなナンバー講座制はまだ旧帝大とかで残ったりしていて、いろいろな科が混じり合った状態で存在している場合もあります。

ナンバー講座制②

だから上図(ナンバー講座②)のように第二内科が教授選に勝って大学内で強くなったり、第二外科が教授選で負けて大学内で弱くなったりすることもあります。

対外的に見ると同じ〇〇科の教授と医局という感じになるんですけど・・・恐ろしい権力の戦いがあります。

その選挙によって・・・人生変わる人たちもいっぱいいる現実があります。

医局のやくわり!!

そんな医局がなぜ存在するかというと大きくは

医局のやくわり!!
  1. 大学院にいき博士をとるため
  2. 大学医学部の教育のため
  3. 留学するために修練を積むため
  4. 田舎の病院などに医師を派遣するため
1.大学院にいき博士をとるため

これは、まぁ一般的に後期研修医が終わり専門医をとって数年したら大学院に行かないかと大学に呼び戻され・・・学費をはらい大学院に行きながら、ほぼ無休で大学病院の病棟の仕事をしたり、講義をしたりするという奴隷生活・・・

ただ医師の70%は博士を持っていると言われており、以前はみんなが通る道だったようです。

2.大学医学部の教育のため

これは当然なのですが・・・大学病院には医学部があるので、学生の教育が必要で・・・教授以外にも講師などの人が学生のときに講義されていたと思いますが・・・

あの人達もかなりの格安の給料で授業をしたりしてます。(病棟業務の合間とかで・・・)

3.留学するために修練を積むため

直接USMLEを受けて、アメリカの病院に就職してしまうという荒業をする医師もたまにいますが・・・

基本的に研究などのために留学するためには教授などの推薦が必要であるため医局での奉公が必須となります。

また留学後も基本的には何年も医局への恩返しが必要となります。(ただ留学する人なら基本目指すのは医局のトップである教授であるため残っているという人も多いと思います。)

4.田舎の病院などに医師を派遣するため

これは昭和大学が医局の派遣をしている見返りとして大学病院の講座に寄付をもらっていたのを斡旋業として課税された件で有名になりました。

大学は給料の若い若手を1年単位ぐらいで病院に労働力として派遣する。(中堅以上は部長クラスで基本的にはあまり動かさずに病院の質を保つ。)

労働力派遣の見返りとして講座に寄付をもらう。

このように教授が絶対的な人事権を持っているときは大学の講座にかなりのお金があつまり、教授のちからもかなり強かったようです。

大きくわけて医局は教育と人材派遣の機能が合わさったものとして機能していました。

医局ってどうなるの??

医局のやくわり??
  1. 大学院にいき博士をとるため
  2. 大学医学部の教育のため
  3. 留学するために修練を積むため
  4. 田舎の病院などに医師を派遣するため

では、こんごこの機能がどうなっていくかを医局のやくわりから考えてみようかと思います。

1.大学病院にいき博士をとるため??

基本的に医師の70%が博士を持っているのは昔の話で・・・おそらく今はそこまで多くないのと今後は減っていくと思います。

医師のキャリアプランが医療だけでなく起業(youtuberみたいな人もいらっしゃいますが・・・医師の資格を生かした起業は増えているようです。)したり、働き方自体は専門医さえあれば雇う側からすると医療の質的には問題ないと判断されるため博士であることは・・・必須ではなくなっているというのが現状だと思います。

労働環境が悪いのもどうかと思います。改善しないと、どんどん博士を取る医師は減っていくでしょう。

2.大学医学部の教育のため??

この医学部生の教育は今後もなくなることは無いと思いますが・・・

大学院生が減ったり、医局の人員が減ると難しくなると思われるので・・・

予備校や塾講師のようにそれだけで生計をたてる医師もでてくるようなぐらい給料があれば未来はあると思いますが・・・

教育のため・・・薄給でというのは時代からするとおかしいものです。

3.留学するために修練を積むため??

ここはたぶんアカデミックに行きたい人は医学生のときも上位にはいましたし、今後も日本の医療研究を支えるためにも必要な機能だと思いますが・・・

教授だけに人事権が握られている必要はないと思いますので、もっと公的な機関を各大学ごとに設けて留学などの判断をするほうがいい気もします。

4.田舎の病院などに医師を派遣するため

われわれ民間病院としては医局派遣は若手が定期的にきてくれる嬉しいのですが・・・

  • 1年しかいないので外来・入院主治医がすぐ変わる
  • 能力の差がかなり激しい
  • やる気がない人が派遣されてくると、その期間病院は大変

などの問題があります。

いい人が来ればありがたいのですが・・・逆だと仕事が増えます!!

上記のように医局はある程度は続くと思いますが・・・労働条件を改善していなければどんどん先細っていくと思います。

ちなみに医局派遣の医師の給料は・・・なぜかやすかったり残業がつけれない暗黙のルールがあったりします。(そのかわりバイトなどの外勤が認められたりしてます。)

ネットを中心とした転職サイト数もかなりあり・・・

部長クラスでもネットの転職サイトで移動したりすることが珍しくなくなってきている今・・・

医局の人材派遣の機能は今後衰えていくと考えられます。

そのため、医局に入る金も少なくなり医局の力が落ち・・・そして医局の人員がへり医局の力が落ちていくというスパイラルが始まっていくと考えられます。

日本専門医機構が設立され混乱のなか専門医制度がスタートしましたが・・・マイナー科は大学病院ではないと研修が難しく後期研修医が大学に流れるということがありましたが・・・

そういう人たちのほとんどが専門医取得後数年したら大学病院からでていく可能性が高く医局の中堅層の不在は続きそうです。

まとめ

医局のこんごについて
  • こんご医局は継続するが力は落ちていく。
  • 人材派遣のちからも入局者が減ると考えられるので先細り。
  • 教育機能も入局者が減ると保てなくなる。

いま大学を卒業するなら入る必要はないですが、入っていてもいいと思います。

なぜならやめるのに、以前ほどそんなに苦労はしないからです。(転職サイトはインターネットでたくさんあります。)

ただ10~20年後なら、今より力の落ちた医局に所属するべきかどうかはかなり疑問なところだとおもいます。

人事権と金などの権力を教授に集めるシステムはもうそろそろ変えたほうがいいのはみんなわかっていると思いますが・・・

そのルールを変えるのも教授なのでなかなか難しいのでしょう。

臨床能力・論文作成能力が優れている人が人間的に優れているかどうかは・・・その人次第だと思う今日このごろです。

医局から距離をとっているへげらもげらですので・・・やや医局はいいイメージはないのですが・・・

だれしもが思っているのは・・・どこの医局も人がいなくて大変ということだと思います!!

(変えてほしいけど変わらないシステム・・・日本の政治みたいですね・・・)

今日はここまでです。

今日も一日がみなさんにとっていい日でありますように!!

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