ここが変だよ〇〇さん!!~第5回:家に帰っても大丈夫?本当に100%大丈夫ですか??~この質問に対しての解決方法は「コミュニケーションをきちんとするです!!」

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ここがへんだよ〇〇さん
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こんにちはへげらもげらです。

今日は「ここが変だよ〇〇さん!!」シリーズ第5回です。

今回はわれわれ医療者が・・・来院してきた患者さんが帰宅する時に悩む・・・

「ほんとうにかえって大丈夫!?」

という質問に対してについてです。

よく患者さんや患者さんの家族から聞かれますが・・・皆さんはどう説明したらいいと思いますか?

そもそも「100%」、「絶対」なんてものはこの世にあるのでしょうか?

私なりの回答は「コミュニケーションをきちんととる!!」まとめに書いてますので気になる人はそこだけでも読んでください!!

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目次

患者さんの帰宅時によくおこること!

へげらもげら
へげらもげら

今日の結果はこれで全部です。とりあえずは問題なさそうなので帰宅になります。

患者
患者

そうですか、わかりました。ありがとうございます。少しきついですけど家で頑張ってみます!!

患者家族
患者家族

・・・先生、すこしきつそうなんですが、本当に大丈夫なんですか。100%大丈夫なんですか?

へげらもげら
へげらもげら

・・・・(まじか、単なる治りかけの胃腸炎だけど・・・100%と言われると・・・)

これは心配した家族にたまに言われるパワーワードのひとつですね。

  • 100%
  • 絶対
  • 責任が取れるのか?
  • 保証はあるのか?

心配なのはよくわかりますけど、医師としてこの言葉に当たるとすこし・・・困惑します。

なぜなら、帰宅することに対して100%大丈夫というわけではないからです

帰宅するのは100%大丈夫なわけではない理由

患者さんからの情報をえる難しさ

医療者は患者さんたちからえられる情報から、現在の状況を判断しています。

患者さんの情報の入手方法
  1. 患者さん本人からの問診
  2. 患者家族やケアマネージャさんからの情報
  3. 他の医療機関からの紹介状
  4. 血液検査or画像検査など

以上の情報から判断しています。

ただ①、②はコミュニケーションが上手くいかなかったり、医療者側の経験によってはまちがった情報として処理されてしまいます。

(初期研修医にはよくあることですが、疾患を想定していなくて問診していると、正しい情報が得られなかったり、ぜんぜん違う病気を考えてしまい調べたりします。)

中堅医師以上になると患者さんの言うことは完全に信頼しているわけではなく一歩ひいてフカンした視点でみて判断するようになります。(これは疑っているのではなく、一歩引くことによって間違った判断につっぱしらないようにするということです。)

の紹介状も場合によってはですが・・・

当院かかりつけの患者です。調子悪そうです、よろしく!!基礎疾患は高血圧だよ!!

こんな感じの紹介状だと、私はそっと閉じて患者さんの話を聞くことにしています。

まったく経過がわからない情報ですので患者さんの情報のほうが信頼できるからです。

はいわゆる検査ですね。検査はウソをつかないと思われる人がいるかも知れませんが・・・

検査も検査するタイミングによって重症の人でも異常値がなく軽症の人でも異常値がたくさん出る場合もありますので・・・患者さんのバイタルと対比しながら・・・判断することになり絶対ではありません。

ここは数字をよむ経験と患者さんを臨床的に判断する経験が必要です。

患者さんの得られた情報から判断の難しさ

上でのべた患者さんの情報から今の状態を判断しているのですが

  1. 患者さんから得られた情報が間違っていた
  2. 患者さんから得られる情報が少なすぎる
  3. 想定する疾患が違って、実際の疾患と違う評価をしている。
  4. 想定する疾患が違って、検査項目が適切でなかった。

は患者さんの情報を聴取する時に腹痛と表現しているが実は胸痛だったような誤りの場合です。

は患者さん自身や家族自身が非協力的で全く情報が得られない場合です。(ネグレクトやアルコール依存、認知症などでひきだせる情報が少なすぎる場合)

は例えば日本にいるときは日本で多い疾患から否定していく形になります。いきなり中南米にしか存在しない感染症は想定していないわけで・・・もしもマレな感染症とかになっているときは、すぐに診断されるのは難しいです。

また最近の記憶に新しいのはコロナ(COVID19)だと思います。COVID19という病気が認識されるまでは、中国で流行している謎の肺炎(以前は武漢肺炎と言われてましたね。)で、急激に悪化する人がいるという情報しかありませんでした。

こういった場合は、もしこの病気の一例目にあたったとしたら、その病気のデーターがないため、正確な患者の状態や経過を把握するのはかなり難しいです。

は腹痛と思っていたら上腹部痛で実は胸痛で心筋梗塞だったという例だとすると、腹部エコーをしていても異常は出ないため、疾患は見逃されることになります。

医療者側が判断を間違える原因

  1. 上記のように情報自体が間違っていたり、不足していたりする。
  2. 想定した病気の間違いや病気自体が知られていない場合がある。
  3. 医療者側の経験不足している。
  4. 過剰な仕事量による疲れがある。

医師と言っても、みなさんと同じように限られた時間、能力、医療資源で仕事をしているので100%大丈夫などは無理なのです。

(ただ、努力すれば100%はムリでも100%により近く安全にはできると思いますので、われわれ医療者側は、そこをめざして努力はしています。)

まとめ

今回はなかなか難しい話です。

特に命は他に交換がきくものではありませんので、みんな神経質になります

ただ医療は「100%」や「絶対」を保証するものではなく、適切な治療や診療を行うことです。

そのため、いま現在は大丈夫と判断しているがその後の経過によっては再受診をすすめるのが適当だと思います。

わたしが患者さんから大丈夫ですかと聞かれる前に下記のことをするようになってからはあまり「100%大丈夫ですか!!」などは聞かれなくなりました。

  • 患者さん・患者さん家族に病名と診断した理由を説明する。
  • 診断した病気の自然経過を伝える。(胃腸炎なら3日ぐらいが一番きつい、徐々によくなって1週間ぐらいでもとの生活に近くなり、2週間で普段どおりになるなど・・・)
  • 自然経過と違う経過になったり、明らかに患者や家族からみておかしいと思ったときは迷わず再受診をするように伝える。

だいたい、患者さんや患者家族さんの不満は・・・コミュニケーション不足が原因の不安だと私は思っています。

医療者側がどれぐらいがんばっていても、それが患者さんや家族からみえない場合は不信感を抱かれるのはしょうがないことです。

特にコロナ(COVID19)が流行していて、直接の説明がむずかしいのでコミュニケーション不足になりやすいため注意が必要と思いますので・・・より多くの説明をていねいにする必要があるかなと感じます。

今日はここまでです。

今日も一日がみなさんにとっていい日でありますように!!

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